会報 第2556回例会 2023年 9月 6日

秋は、悲しくなるという季節のイメージがありますが、物理的な面で考えても実は理由があるようです。
夏の激しい暑さが終わり秋になると、日々気温が低下していきます。
日照時間も短くなると体感だけでなく、気持ち的にも寂しさを与えると考えられています。 晴天の日と雨の日では、モチベーションが大きく変わります。
暑い季節から徐々に涼しくなり、蝉の声から秋の虫の声に変わってくる時に、暑い夏が終わる嬉しさと共に秋になっていく寂しさも感じます。
この様に悲しくなるのは、気候が心を変化させるためのようです。
確かに、いつまでも夏気分では困ります。
秋は動物などが、冬の寒さに備えて準備を始める季節です。
屋外でたくさん見かけた昆虫も減り始め、とても静かになります。
そんな冬支度も秋の寂しさの原因になるでしょうか。

幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンは、体内時計と共に日中に活動することで、多く分泌されるといわれています。
秋になると悲しい気持ちになるのは、夏よりも日照時間が短くなり、セロトニンが普段よりも分泌されにくくなることが原因かもしれません。
幸福ホルモンが減ると、不安を感じやすくなる可能性あります。
暑さがひと段落すると身体的にはとても楽になりますが、知らないところで体が柔軟に対応できず、心理的な面にも影響を与えてしまうのでしょう。
それは「秋」に向けて心構えが出来ていないためかもしれません。

秋になると悲しくなったり、センチメンタルになったりする経験は、多くの人が共感できる部分で、決して特別なことでなく、誰でも体験する可能性があります。
その理由としては、夏から秋にかけて風景が変わります。
青々と茂っていた芝が茶色く枯れていき、木々の紅葉が始まり、そしてどんどん落葉していきます。
春のように新しい命が増えるのとは違い、失うイメージが強くなる秋は、本来美しい季節の変化よりも寂しさを感じてしまうのかもしれません。
気温などの環境の変化と視覚的に感じる変化は、心にも大きな影響を与えるのです。
何かが変化すると心の中で感じるため、心理的変化が起こりやすくなるのです。夕焼けを見て「とても綺麗だ～」と、思っていても日が沈むと、ため息が出てしまい、切なくなったり、日曜日の夜に「楽しい時間が終わってしまう」という、変化を迎える不安と似たものがあります。
日曜日の夕方、テレビから聞こえてくる朗らかなサザエさんの笑い声と愉快な一家の姿を見終った時に、なぜ切なく感じるのでしょうか？ それは、明日から始まる仕事や学校を思うからだそうです。
日曜の夕方から憂鬱な気分になることを、「サザエさん症候群」と言います
北国の方では、秋はこれからやってくる厳しい寒さを考え、その準備をしないといけない為、このような感傷的にはならず、充分に秋を楽しむ余裕はないのでしょうか？

秋は気温の変化と共に、体が冷える日も多くなる可能性があります。
このためうっかりしていると、季節の変わり目は体調を崩しやすくなるかもしれません。
体調管理は、自分で予定を立てて出来る事なので、秋の悲しい気持ちを軽減させるためにも効果的です。室内のストレッチや天気が良い日は散歩など、体を動かして気分転換をするのも良い事です。
それよりもっと良い事は、来月、10月15日(日)に行われる毎年恒例の移動動物園のお手伝いに参加する事です。
去年は天気に恵まれたのと、コロナが治まってきた時期でしたので、大盛況で良かったのですが、人手が足りず、慣れない立ち仕事でしたので、私にとっては、とてもハードな1日でした。
舟橋パスト会長と帰ったのですが、中山駅まで歩いている途中で、両足が吊ってしまいました。元気よく歩いている舟橋パスト会長に「足がつって歩けない」と、お伝えするのが恥ずかしくて、信号待ちの時に、こっそりと足を延ばしたりして、どうにか駅に辿り着く事が出来ました。こんなことは初めてで、無事に家までたどり着くのだろうかと思いました。
これも歳のせいでしょうか？　早朝からの立ち仕事ですので、今年は、皆様と協力してしっかりと水分補給と休憩を取りながら行いたいと思います。

近年、涼しくなったなと思ったらもう冬になり、本来の秋を楽しめていない感じがします。
今まで話した秋のイメージはマイナスな感じでしたが、秋は、涼しくなり旅行に行きやすくなったり、スポーツをしたり、食欲の秋、他にも楽しい事が沢山あります。今しかできないことを満喫すると、秋の悲しい気分はどこかへ消えてしまうはずです。

夏の後に、いきなり冬がやってきたら、きっと上手く対応できない人は多いはずです。
秋は、そんな中間に挟まれた季節で、気持ちを入れ直すための大切な時間を与えてくれるのだと思います。
悲しい気持ちになるのも、季節が変化する過程のひとつとして受け入れれば楽しめるかと思います。
実際、秋は五感で、あちらこちらで変化を感じられる季節です。毎日感じる違いを楽しみながら生活するのにもってこいかもしれません。 私は、キンモクセイの香りがして来た時に秋を感じます。
日本の三大香木といわれます、春のジンチョウゲ、初夏から夏にかけてクチナシ、秋のキンモクセイです。
ちなみに、キンモクセイの他に、ギンモクセイが有ります。
違いは、ギンモクセイは白い花で香りは薄いそうです。

私は、キンモクセイの香りが、子供の頃から好きでしたが、いつしかトイレの芳香剤のイメージが強くなってしまいました。
それでもこの時期、風と一緒に香ってくると立ち止まり、大きく深呼吸するととても気持ちが穏やかになります。
皆様も、キンモクセイの香りを感じましたら、大きく深呼吸をしてみて下さい。

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