横浜緑ロータリークラブ

会報 第2131回例会 2014年 3月12日

 

 

第2131回例会 2014年3月12日(水)
例会場:青葉台フォーラム 時間:12:30~13:30

卓話:境新一 様(成城大学 教授)

司会 井上幸治 SAA
斉唱 『我等の生業』
点鐘 天野正昭 会長
会長報告 天野正昭 会長
幹事報告 清水裕之 幹事
出席報告 餅田実 出席委員長
発行者 荒井ゆかり 会報委員長
 
誕生祝 ゲスト ビジター
無し 境新一 様(成城大学 教授) 無し
 

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報告等

パートナー誕生祝

荒井ゆかり 会員 パートナー・勲 様

 
 

会長報告

天野会長

会長:天野正昭

みなさんこんにちは
 先週IMに出席してまいりました。お忙しい中ご参加頂いた会員の皆様長時間にわたりご苦労様でした。また今回のIMで印象深かったスピーチ内容が幾つかありました。
第1部の基準講演でタイのチェンライRC会長・原田義之氏のスピーチでした。等クラブでも私を含め何人かの会員の方に原田氏の著書「輝く瞳に会いに行こう」の購入をして頂きましたが、読んだ感想と現状の様子を言葉で聴いたのとではかなりのギャップがありました。現場で活動し体験した人でしか伝えられない熱い思いを受け取ることができました。

第2部のシンポジウム「奉仕を通して会員拡大につなげよう」では、会員純増優秀クラブ代表して横浜西RCの谷川公一氏の発表が特に参考になりました。「若い会員への勧誘は若い人にまかせる。また新入会員のだけの集まりを増やし古参の会員は出席しないこと」との意見はなるほどと感心してしまいました。
コーディーネーターを務めていただいた直前ガバナーの露木雄二氏の言葉なの中で60代からは自分の好きな事をみつける自由な年代となるので、まだ何をするか探している人にクラブへの勧誘を進めるのも方法との提示がありました。
このお二人の提示を聞いていると一見相対性の側面が見えるのですが多くの気づきがあり今後の会員勧誘や新入会員への対応に広く参考になりました。

特別講演では直前RI会長の田中作治氏の講演 でした。張りのある声で会長としての一年間を30分内でキッチリ終了してみせました。内容はあまりにも多岐に渡り過ぎていたためここで紹介するほど記憶に留められませんでしたので素晴らしかったとだけ報告させて頂きます。
最後まで記憶に残った言葉「世界は大きくまた今も変化している。我々ロータリークラブもロータリアンも変わらなくてはいけない」。我々がこの言葉をどこまで理解し実践に繋げるか暫く熟考したいと考えています。

 
 

幹事報告

清水幹事

幹事:清水裕之

  1. 来週山下会員がお久しぶりに例会にご出席予定ですので、皆様に温かくお迎え頂き、お声掛けを賜りますようよろしくお願い申し上げます。
  2. 3月16日(日)国際ロータリー第2590地区「ロータリーセミナー」については天野会長、浅井青少年奉仕委員長、私の3人で出席して参ります。聖光学院中学校高等学校及び新校舎教室で10時30分から18:00までとなります(10:00登録受付)。
  3. 明日の千葉緑RCとの合同親睦ゴルフコンペ及び懇親会の千葉緑RCの参加者が変更となりお知らせが届いております。コンペ・懇親会参加者が10
    名ずつとなっております。
  4. 「2016-18年度国際ロータリー理事指名委員会委員、補欠委員氏名の件」にて岡本徳彌パストガバナーが選任されましたが、ご辞退の申し出があったということで、指名委員として大須賀洋パストガバナーを繰り上げ、新たに補欠委員として上野孝パストガバナーを選任致したいとの変更了承のお願いが届いております。3月20日(木)迄に地区幹事まで文書にて異議等のお申し出がない場合、ご了承頂いたものとさせて頂くとのことです。
  5. フィリピン・シキホール島のロータリアンによる3/1メール「台風30号の被災地支援依頼」について地区金子厚一国際奉仕委員長より連絡が入っております。当地区では、この台風による被災地支援について、既にレイテ島の復興のため義援金を集め、現地に持参し、一つの区切りをつけておりました。
    しかし、この度の依頼を拝見し、ガバナーと打ち合わせの上、各クラブが個別に対応するのではなく、地区にて取り纏めてその義援金を市川ガバナーが直接先方に贈呈することとなりました。よって支援検討のクラブにおきましては、しばらくお待ち頂きますようお願いします。とのことです。
  6. 2013-14年度国際ロータリー第2590地区拡大増強フォーラム開催のご案内が来ております。
    日時:2014年4月9日(水) 15:00~18:00(受付14:30~)
    場所:新横浜フジビューホテル 会費2,000円(食事代一部負担)
    出席者:天野会長、下中会員増強委員長
    多少アルコールが出ますので、車での来場はご遠慮ください。
    会長・会員増強委員長が出席対象となっております。
  7. 来週青葉台「希」にて午後6時30分より経営研究会が開催されます。
  8. 本日スマイルくじがございます。
 
 
 

委員会報告等

委員会報告

委員会報告

クラブ奉仕委員会

委員長:露木健造

飯田親睦委員長と小泉プログラム委員長と協議の結果、「春の家族会」を日程変更し、「観桜会」を「春の家族会」といたします。

 

委員会報告

親睦活動委員会

委員長:飯田正男

 

出席報告

出席報告

出席委員長:餅田実

会員総数:32名(内出席免除会員数6名)
出席:21名(内出席免除会員数3名)
MU済:1名 ゲスト:1名 ビジター:0名

 
ホームクラブ出席率
  出席率 正会員出席 免除会員出席 メーキャップ会員
今回 75.86% 18 3 1
前回
補正後
90.00% 19 4 4
前々回
補正後
100.00% 15 3 14
 
 
 

スマイルレポート

スマイル 16 件

ニコニコ

  • 天野正昭 会長

    境教授 ようこそお越しくださいました。本日の卓話 宜しくお願い致します。

  • 清水裕之 会員

    境新一先生、本日はようこそおいで下さいました。本日の卓話よろしくお願い申し上げます。

  • 浅井優子 会員

    ・ホワイトデーで みなさまから お花を頂きました。ありがとうございます。・境様 本日の卓話 お願いします。

  • 荒井ゆかり 会員

    境様、ようこそいらっしゃいました。卓話よろしくお願いします。主人のお祝い ありがとうございます。

  • 飯田正男 会員

    境 新一先生、ようこそいらっしゃいました。卓話よろしくお願い致します。

  • 井上幸治 会員

    境先生 お久しぶりです。本日、卓話 楽しみにしています。よろしく お願いします。

  • 大地哲郎 会員

    ようこそいらっしゃいました。本日の卓話よろしくお願いします。

  • 河原裕典 会員

    境先生 ようこそ おいで下さいました。卓話よろしくお願い致します。

  • 北原弘文 会員

    成城大学の境先生、ようこそお越しくださいました。お話を楽しみにしております。

  • 工藤公仁 会員

    境様、本日の卓話よろしくお願いします。

  • 小泉豊 会員

    境先生 本日は卓話よろしくお願いいたします。

  • 清水保代 会員

    成城大学教授 境様、ようこそおいで下さいました。卓話楽しみにしております。

  • 田中孝 会員

    成城大学教授 境新一様、ようこそおいで下さいました。卓話よろしくお願い致します。

  • 露木健造 会員

    IM急用で欠席しました。申し訳ありませんでした。境 新一様本日 卓話よろしくお願いします。

  • 鶴岡武 会員

    成城大学 境先生 ようこそ。卓話宜しくお願いします。

  • 餅田実 会員

    境先生 ようこそお出で下さいました。卓話よろしくお願いいたします。

 
 
 

卓話

アグリ・ベンチャー論の試み
-新たな農業のプロデュースを目指して-

 卓話

境新一 様
(成城大学 教授)

はじめに

人は,生きている限り生命を維持し育むために生活を行う。そのために必要不可欠なものは衣食住である。衣:服装,ファッション 食:食事,食文化 住:住居,居住 である。生活は,家の内外の関係としては,職業生活,社会生活・コミュニティ,家庭生活の3つの分野がある。かつて,上記のうち食は,風土に根差したものであり,それに適した伝統的な農業が一体的に存在した。
しかし,日本経済の復興に伴い,地方から都市へと大きな人口移動が始まり,食と農の距離が社会的,時間的,物理的に急激に進んだ。今日,日本は金融や流通のグローバリゼーション,TPP(Trans-Pacific Partnership,環太平洋パートナーシップ協定,環太平洋戦略的経済連携協定)などに伴い,大きな変革期を迎えている。こうした中で,環境,芸術・文化,ビジネス,教育,地域・コミュニティなどの広範囲にわたる,しかも創造と変革を必要とする課題をもつ産業の1つは農業である。農産物の輸入自由化による大手穀物メジャーとの競争など,日本の農家を取り巻く課題は山積している。筆者はこれまでに3年余,農商工連携に関わる人材育成や地域ブランド育成などを手がけ,現場での発想と理論構築の試み,ならびに実践と課題解決にささやかながら注力してきた。
本日は,日本の現状と課題をふまえ,農業を新たな産業として確立すべく,農業分野でのベンチャー創造,アグリ・ベンチャーをプロデュースすることの意味,農業の自立,価値創造を高めることの重要性についてお話したい。

農業とプロデュース

    1. 農業の必要性 今,なぜ農業か
    2. 農業経営の特徴
    3. 日本農業の課題と今後の在り方
      (1)生活者を満たす農業      (2)農から農産業への変革
      (3)農業の産業化とイノベーション (4)農業の構造改革
      (5)新たな農産物流通       (6)農産業の研究
      (7)地産地消 ~農業生産の活性化
    4. JAの役割と現状

      図表1 農業と商工業の比較

      図表1

 
  1. アート・プロデュースの枠組みとアグリ・ベンチャーの構造
    欧米では文化政策を論じる際にアートマネジメントという枠組みが存在するが,アート・プロデュースという表現は見られない。その意味は,実際にアートを創造する行為は“produce arts”,その成果である作品は“arts production”と表現されることである。プロデュース(produce)とは,pro(=forward),語源として「前に導く」に由来し,製作することを意味する。プロデュースの主体,客体は以下の通りである。
       プロデュースという行為
       個々にプロデュースされる客体としての作品
       主体としてのプロデューサーの存在
     農業と商工業,プロデュースとマネジメントを2つずつ組み合わせると,4カテゴリーになることが理解できよう。これらの背景には地域・コミュニティ,自然・環境が存在し,最終的には一国,世界につながることになる。農業と商工業が相互浸透するなかで,すべての人を満足させる評価尺度は存在しないであろうが,価値の多極性を包括して,価格と対置できる仕組み,システムを構築することが重要である。
     ビジネス・プロデュースは最初に利益を起点にするのに対して,アート・プロデュースは最初に感動・価値の創造を起点とする。農業を主体としながら商工業と関係づけ,双方向からの構築,一体化が重要であろう。プロデューサーは感動,価値の創造からはじめ,作品をつくり,商品に近づける。プロデューサーは夢やビジョンをいかに実現可能な形に導くかが手腕である。

図表2 アグリ・ベンチャーの構造-農業,商工業,プロデュース,マネジメントの関係

図表2

 

アグリ・ベンチャーの要件

  1. アグリ・ベンチャーの特徴
    1. 潜在成長力の向上
    2. 地域貢献度と経営資源の活用
    3. 参入可能性の拡大
  2. 事業計画と行動計画の意味
    1. 事業計画の構成
      計画そのものは,次の6W2Hを意識しながら作成すると,イメージが明確になる。
    2. 出口戦略
    3. ネットワーク構築
  3. アグリ・ベンチャーの問題点
    1. 中小企業の意義と限界
    2. 海外の先進的農業モデルの研究

結び アグリ・ベンチャーのプロデュース&マネジメントへの期待

今回の卓話は,日本の現状と課題をふまえ,特に農業を産業として確立すべく,アグリ・ベンチャーをプロデュースすることをとりあげた。厳しい情勢のなか,日本農業には新たな産業化の可能性を追求する余地がある。農産物の流通開発事業,消費者に対する直販事業など農業に商機を見出している。独自の販路開拓や知識の蓄積,農家に代わる市場や企業・法人などの顧客の対象を探ることにより新たなビジネスモデル,価値創造が可能となる。我が国がTPPに参加するか否かに関わらず,農業の自立,価値創造を高めることが重要なのである。

 卓話

プロデューサーの役割として,ネットワーク創り,ビジネスモデルを創ること,物語構築があげられる。ビジネスモデルは価値と感動の創造をもたらすシステムであり,プロデューサーは感動創造者の一人といえる。
今日,私たちに求められていることは,産業の発展段階として歴史的に農業をとらえるのではなく,現在の産業レベルにおいて農業の位置づけを新たにとらえなおすことである。ひとりひとりの担い手が,工業・商業(商工業)に関する最新レベルでの情報・技術(IT)を伴った,生命に関わる総合産業としての,新たな農業を創造することが重要である。すなわち,新しい農業ビジネス(アグリビジネス)のプロデュースである。
最先端技術の導入を積極的に行うことによって,農産物の加工,貯蔵,流通や機具,肥料の製造などの農業,食品関係の全般,農業用の大型施設や装置,農業用の資材,農作物の育種,食品加工,新品種の開発,飼料や農機,土木事業などのビジネス分野があり得るのである。農業は一次産業的な要素から三次産業までを包含する6次産業である。地域産業,連携が重要であることは言うまでもないが,さらに地域産業と地域文化(伝統文化を含む)の持続的かつ総合的な再創造を行うことが緊要であると考えられる。伝統と革新が共存する日本を創る一歩を踏み出す必要があろう。特に,アグリ・ベンチャーの目指すものは様々である。農業を魅力的な業種にすることが重要であろう。

 

[参考文献]

  • 境 新一編著,齋藤保男・加藤寛昭・臼井真美・丸幸弘著『アグリ・ベンチャー ~新たなる農業をプロデュースする~』中央経済社,2013年
  • 境 新一『アート・プロデュースの現場』論創社,2010年
  • 同 『アート・プロデュースの仕事』論創社,2012年
  • 田中 進『ぼくらは農業で幸せに生きる』河出書房新社,2012年
  • 昆 吉則「趣味化した農家をいつまで保護するのか 総販売金額6%の農家が6割」『WEDGE』2011年8月号
  • J.A.シュンペーター,清成 忠男編訳『企業家とは何か』東洋経済新報社,1998年,,
  • P.F.ドラッカー,上田 惇生訳『イノベーションと企業家精神』ダイヤモンド社,2007年
  • 境 新一「農商工連携の意義と役割」『厚木農商工連携等人材育成事業』資料,2011年5月
  • 厚木商工会議所『厚木農商工コラボレーション研究会』配布資料,2012年~2013年
 
 
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