横浜緑ロータリークラブ

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1.利害の対立

ロータリアンが補助金活動から金銭的または個人的に利益を得る可能性がある場合、利害の対立が生じます。この場合、「利益」とは、直接的利益(ロータリアンへの利益)と間接的利益(ロータリアンと関係ある人への利益)の両方が含まれます。

  • 「金銭的」利益とは、プロジェクト管理の報酬として補助金資金を受領することや、プロジェクトの請負・納入業者として補助金資金を受領する等が含まれます。

  • 「個人的」利益とは、昇進、顧客獲得、広告効果、社会的地位向上のために補助金活動を利用することが含まれます。

  • 「関係のある人」とは、家族、友人、ロータリアン、知人、同僚、共同経営者等が含まれます。

クラブがなぜ利害の対立に気をつける必要があるのというのは、ロータリアンが自身の利益のために活動していると誤解され、人々からの信頼が損なわれてしまう為です。また受益者の真のニーズに応えられなくなるためです。
地域のためではなく私利私欲のためにロータリアンが資金を利用しているという印象を寄付者に与え、将来の寄付が行われなくなる可能性があるためです。

キーポイントとして次の留意点を知っておくべきです。

  1. ロータリアンは職業における高潔さを大切にしていると認識されています。利害の対立の予防策と対応策を立てることで、クラブ、地区、財団の評判が損なわれるような事態を防ぐことができます。

  2. 補助金プロジェクトとの直接的、間接的なかかわりについてロータリアンが隠さず公表することで、財団資金の使用における公正さと透明性を保つことができます。

  3. ロータリアンは、補助金申請書の中で利害の対立をすべて公開します。ある特定の事情が利害の対立とみなされるか疑問がある場合は、補助金コーディネーターにご相談ください。

利害の対立(または利害の対立が疑われるケース)が生じたからといって、財団補助金プログラムへのロータリアンの参加が必ずしも禁じられるとは限りません。参加が認められるかどうかは、利害の対立の開示状況に応じて、その都度、判断することになります。

他地区では利害の対策防止策として次の処置を導入している例もあります。

  • 財団委員会委員並びに補助金委員会と傘下の委員会委員は、「財団補助金参加者の利害対立に関する方針」により、任期中及び任期終了後1年間は補助金を受給する奉仕プロジェクトには携わることができないものとします。また、財団委員会委員長の所属するクラブにおいては委員の任期中はグローバル補助金申請の参加資格が停止されるものとします。

  • 地区財団監査委員は、「財団補助金参加者の利害対立に関する方針」により、任期中及び任期終了後1年間は補助金を受給する奉仕事業には携わることができないものとします。また、委員の所属するクラブにおいては委員の任期中はグローバル補助金申請の参加資格が停止されるものとします。

但し、当地区としては財団委員はプロジェクト構成委員にならないとし、利害の対立を理解してもらい、上記のごとく厳しい規制はとりません。


2.プロジェクト審査基準【地区内審査要項】

2-1.補助金申請に関する地区内審査基準と方法

地区内の補助金申請による審査のキー・コンセプトは、RI の戦略計画と財団の未来の夢計画の目的である、次の趣旨が盛り込まれています。

「人々の生活を改善する社会に役立つ活動が、より大きな成果をもたらし、公共性イメージを高め、ロータリーの世界的な影響を高めることです」。そのためには奉仕の焦点が絞られ、ロータリーならではの独自性と、効率性と持続性を高める奉仕プロジェクトであることを主眼とします。

1) 審査手順と方法

  1. 第一次提案書予備審査(共通)

    地区補助金とグローバル補助金とは別枠で審査しますが、審査は同じ手順方法で行います。
    クラブからの提案書提出に対し如何なる理由に関らず、受付委員会はこれを拒否することはできません。 クラブと受付委員会が内容吟味、申請可否理由を添付、ガバナー、TRF委員長の決済をあおぐ。

    なお、利害の対立も充分留意すること。

    • 注1.申請数が多くなり、DDFの予算枠を超え、且つ、審査結果が拮抗し優劣がつかない場合は、直前3ヶ年の財団寄付実績を参考にします。

    • 注2.2013-14年度は予備審査委員会と本審査委員会の決議で進めます。

  2. 地区補助金申請書審査基準の方針(重要な審査項目)

    1. 受益者以外への波及効果と持続性

    2. 独自性(ロータリーらしさ、ユニークネス)

    3. ロータリアンの主体性と関与度

    4. 受益者の参加と地元協力団体との協力度

    5. ロータリー・ファミリー等のネットワーク活用度

    6. 事前調査の充実度

    7. プロジェクトの広報とメデイア活用計画

  3. グローバル補助金地区内申請書審査基準の方針(重要な審査項目)

    地区補助金の審査項目に次の項目を加えます。

    1. 実施国のクラブ関与度

    2. IT の活用度

    3. モニタリング計画(測定可能な数値目標と評価システム)

    4. プロジェクトの必要度(現地ニーズと六つの重点分野の核心性と必要性、高評価の可能性)

  4. 地区内最終審査の決定と公表

    委員会は地区内補助金申請書類を事務的手続き並びに申請内容を精査し、委員会の意見書を付して、上部に付託します。ガバナー、財団委員長は、最終審査の決定を行い、定めた期間内に当該クラブに通知すると共に、第2590地区のホームページ上に開示します。


3.補助金の財務と事務管理

3-1.補助金の財務と事務管理に関する地区要項

1) 事務管理の基本的考え方

財団の資金は、ロータリアンの献身的な自発的寄付であり、趣旨に沿って効果的に使われるものと信頼し、ロータリー財団に寄付金を委ねたのであります。従って、ロータリー財団プログラムに関連のある活動において適正な財務運営が行われる事が重要です。透明性(clear)と公正・公平性(fair)を担保するために、業務の活動状況の進捗状況や状態、実績を見える仕組みが必要であり、規則や倫理にかなった適正な事業の執行と事務・財務の管理が求められます。プロジェクトの実施に関して、すべての懸念事項に適切に取り組む責任を負っております。

2) 事務管理の方法

  1. 補助金専用口座の管理

    地区財団委員長は、参加資格を満たすためにMOUに従い普通預金の補助金専用口座を設け、口座の署名人は地区財団委員長と補助金委員長の2名とします。また、欠員が生じた場合の補欠者としては財団副委員長を充てます。

  2. 書類の保管

    補助金の事務及び財務に関する全書類の保管期間はMOUに従います。書類は原本と原本を電子複写したデータの2元管理とし、また財務関係の電子計算ファイルについても同様にバックアップ・データをハードディスク等に収納し保管します。
    夫々の保管は建物が異なった場所を年度当初に定め、地区内の関係する役員と委員会に周知し、責務上必要する関係者が何時でも閲覧することが可能な、透明性と安全性を確保します。

3) 財務管理における会計処理の考え方

  1. 補助金専用口座の管理

    ロータリー財団から地区に補助金管理が委譲されるについては責任と義務が伴います。マネジメントを監視する組織統治(governance)の必要性と、透明性を果たすための開示義務(disclosure)の確立、活動結果について報告し、納得させる説明責任(accountability)が要請されます。

  2. 真実性の原則(principle of true and fair view)と正規の簿記の原則 (principle of orderly bookkeeping)を実現するために、次の3つの要件を満たすことが求められます。

    1. すべてが網羅的に記録されていること(網羅性)

    2. 会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていること(立証性)

    3. すべての会計記録が継続的・組織的に行われていること(秩序性)

    一般的に、取引発生順の記録としての仕訳帳と勘定科目別記録である総勘定元帳の2つを複式簿記の原理に基づいて作成します。

  3. 明瞭性の原則 (principle of fair disclosure)

    財務諸表は、組織の状況や会計事実を明瞭に開示し、説明責任を全うするためのものであります。

    1. 総額での表示(総額主義)

    2. 費用と収益の対応表示

    3. 分かりやすい科目区分と配列による表示

    4. 附属明細表による明瞭性の実現

    5. 重要な会計方針の開示

    6. その他の重要事項の注記

  4. 単一性の原則 (principle of consistency)

    内部で作成する会計帳簿は一つだけしか認めないとする原則で、いわゆる二重帳簿など不正な経理を戒めることを狙いとしています。

4) 財務管理の方法

補助金に関する事務取扱は TRF の定めに依りますが、第2590地区は下記の項目を追補します。

  1. 領収書の保管

    原則として全ての領収証の保管が必要ですが、諸外国での場合は米貨75ドル以上とします。

  2. 廃棄資産の処理について

    破損事故等で使用しなくなった有形資産の廃棄に当たっては、その原因と経緯並びに引き取り先・処分方法を記述した稟議書で決済を得るとともに、写真を添付して保管することとします。

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3-2.起案者からのお願い

この要項は大変厳しい文言となっておりますが、個人の問題も提唱クラブ全員の責任であり、地区財団委員会を含むすべての関係者が連帯責任を負うことになっていることをご理解下さい。また、本要項の狙いとするところは、補助金活用の奉仕活動が潤滑に始動することを第一としますので、奉仕活動に支障が予見される箇所があれば、今後協議の上、改善をしてまいりたいと考えます。

以上のことから皆様の建設的なご意見を、お寄せ戴きますことを願っております。